あわいの呼び色

はじめに

このシナリオはクトゥルフ神話TRPGシナリオです。
基本ルールブック、キーパーコンパニオン、マレウスモンストロルムなどを参考に製作しました。
(2015/05/31完成)(2016/09/28公開)

概要

■シナリオ名:あわいの呼び色
■舞台:現代日本・特殊シティ
■プレイ予想時間:Skypeボイセで8~10時間
■推奨人数:3人前後
■技能
 推奨:目星・図書館(・精神分析)
 使いどころはある:英語・生物学・地質学・オカルト
□コンセプト:安全に業を背負う
□エンド:5種類(トゥルー、ノーマル、ハッピー、バッド、デッド)
■ハンドアウト
 探索者たちはそれぞれ何らかの理由で未鹿迎市(みかげいし)に一ヶ月ほど滞在している。
 (※未鹿迎市‥‥都会でも田舎でもなく、中心部はそこそこ施設が揃っているが端に行くと自然も豊かな市。
   探索者の職業によって滞在理由のために大学などを生やしても良い。)
□あらすじ
 最近、奇妙な夢を見る探索者たち。その内容はよくあるようなとりとめもないもので、さほど気にすることもなく毎日を送っていた。しかし、ある日の夢は今までのものとは全く異なるもので‥‥


本編

KPさんへ


0.導入の導入

どこかから呼ばれている気がする。あなたはベッド、布団で眠っている。
あなたの見る夢ははっきりとした形をなしておらず、どこか気味の悪い存在を孕んでじわりじわりと迫ってくる。それは毎回違った風景であるのだが、夢を見るあなたは、「ああ、またこの夢か」と思うのだ。
そして夢から覚めたとき、内容はほとんど覚えていないがじんわりと汗をかいている。そんな日が一週間に一、二回の頻度であった。
 このような日々が続いていたあなた方は<SAN-1の減少>です。

※KP情報


0-1.導入

少々夢を気にしながらも、あなたは眠りにつく。そして、いつものように夢を見る。
‥‥しかし、その日の夢は今までのものとは全く違った。

ここは夢だと確信できるのに、覚醒の世界かと思うほどに頭は冴え、感覚は妙にリアルだ。
どこかの部屋の中、近くには困惑した表情を浮かべる(探索者の数)人の人間。きっと自分も同じような顔をしているのだろう。
 湧き上がる不安感、奇妙な感覚。<SAN-1D4の減少>です。

部屋

自分たちがいるのはひどく殺風景で四角い部屋。
正面の壁に分厚そうな引き戸がある以外は何もない。
探索者たちの格好は普段のもので、寝る前に何か持っていたとしても持ち物は何一つ持ち込めない。

<聞き耳>


引き戸であるが、引いても開かない。素材はコーティングされたスチールか何かのようだ。
よく見ると目線より少し下に、薄い板のようなものを差し込めそうな枠がついている。
枠は横長の長方形。上部分がなく、上から何かを差し込むのだろうとわかる。

<聞き耳>

※探索者が無理に扉を開けようとする



自己紹介などを済ませ、この部屋を一通り調べたところでイベント。
あなたたちは自分の意識が遠のくのを感じます。
夢から覚める。そう思ったとき、どこからともなく、声が響いた。
「会いに来て。」
(前述の扉への<聞き耳>成功者はその声が開かない扉の先から聞こえたように思う。)

澄んだ女性の呼び声を聞きながら、あなたたちは意識を手放し‥‥
再び目を開けると、そこは自室のベッドや布団の上だった。

 はっきりとした記憶の中に、何か自分の知らないはずの知識まで紛れ込んでいるような気がする。
 <神話技能+1>

1.現実

目を覚ました探索者は仕事や用事の間に探索をすることになるだろう。
怪異に慣れすぎた探索者でない限り一日目はほとんど進展はないと思うが、二日目からは移動時間などを調節して三、四日で解決できる程度を目安にする。

※一日目には通行人や同僚を使い必ずどこかで[1-1.夢の話]の情報を出す。

1-1.夢の話

聞き込み、もしくはインターネットで『夢(未鹿迎市)』について調べると『最近奇妙な夢を見る人が増えている』という情報を得る。

<コンピューター><RPなど>で調査



1-2.市役所

市の中心部に位置する面白みのない建物。9時から開いており、17時には閉まってしまう。
業務時間内に広報部を訪れれば担当者に会うことができる。夢について書かれた号を貰うことも可能。

  • 市政だより
 夢について書かれているのは最新のものより二号ほど前のもの。市政だよりは毎週発行しているようだ。
 市長の挨拶や市民が行った市の行事などが書いてある中に小さなコラムを見つける。
 『最近変わった夢を見る人が多いそうです。磁場の乱れや気温の変化など様々な原因が考えられますが、はっきりとしたことはわかっていません。市民の皆様も十分お気を付けください』
 (気にするようならコラムを書いたのが白瀬という職員だとわかる)

<図書館><目星>他宣言など


  • 広報担当職員
 業務時間中であればいつでも会える。普通に話しても目立ったことは聞けない。
 夢のことに触れているコラムの話を振ると、
 「市民なんでも相談室という電話相談を行っていまして。そこに変な夢を見るって相談がたくさん来るようになったんですよね」
 「気になるくらい多くなったのは二週間前くらいからですね」などと教えてくれる。
 (あまりつっこむと「あの、何故そんなことまで‥‥?」と疑問を持つかもしれない)

 →磁場の乱れなどが夢に関わっているのか
  「あー、いえ、そう決まったわけではないんですが‥‥」と言いにくそうな反応。

<地盤沈下などの単語を出す><説得>



1-3.未鹿迎市ジャーナル

雑居ビル二階の小さな雑誌社。16時頃からしか担当はいない。
電話でアポを取ったり直接訪れた場合は事務の女の子が対応する。

  • 未鹿迎市ジャーナル
 未鹿迎市ジャーナル(社名)の発行している未鹿迎市ジャーナル(雑誌名)。紛らわしい。月刊420円。
 表紙には市長ヅラ疑惑?!や、今ドキJKの恋愛テクニック♥などどこを目指しているのかわからない見出しがデカデカと書かれている。目立たない小さなものだが、『集団催眠ならぬ集団睡眠!?市民を襲う悪夢』という見出しにも気付けるだろう。

【集団催眠ならぬ集団睡眠!?市民を襲う悪夢】

<目星><図書館>


  • 担当・枷根田掴
 アポがないとデスクにかじりついて何やらパソコンで打ち込んでおり、
 「あーごめんごめん忙しいんだ!」と相手にしてくれない。
 とはいえ、情報提供したいなどと頼めば休憩とばかりに来客スペースで対応してくれる。

『集団睡眠』の記事の話を出す



1-4.DHS株式会社

そこそこ大きな地質調査会社。会社のそばにブルーシートで囲まれた一角がある。
ロビーに入り受付で陥没事故などのことを聞くと少し困ったような対応をされる。
市民の皆様にはご迷惑をおかけしていますなど、上辺ではない謝罪を繰り返される。

押し問答を続ける

アポを取って引き返す


  • 担当主任・地質測
 探索者たちをロビーの椅子に座らせ、対応してくれる。
 ただし、この時点で陥没の起きた最初の場所を知るという目的がない場合はさっさと話を切り上げて仕事に戻ってしまう。
 「まあこっちも仕事なんでね、金もらってやってんだから手抜いたりしねーよ」
 「ここは土地もいいし、特に今まで問題らしい問題もなかったんだよ‥‥」
 「おたくらよそ者か?図書館で市の歴史でも調べればいいんじゃねーの」

しばらく押し問答、もしくはイラつかせる

この市を守るのに協力したいなど未鹿迎市を心配するような発言

 
※どちらの場合でも「原因があんだよ‥‥俺の町の地下に穴をボコボコ掘ってやがる奴がよ‥‥」とぼやくように発言する。

追求すると


  • 資料
よくわからない何かの数値や現場の写真、それらが陥没した順番に並べられているもの。
どうやら一番最初に穴があいたのは病院の中庭のようだ。

<地質学>

 
※ジャーナルの話がまだ出ていないならここで出しておく。
 「最近はあのクソネタ、あいつのせいでうるせーうるせー」
 「あ?未鹿迎市ジャーナルだよ、大層な名前しやがって」


1-5.岡の家

山に近い場所。あばら屋のような一軒家。
家の裏手の山は土砂崩れが起きており、やはりブルーシートと警備員の姿。
呼び鈴を押すと「ギンゴーン」と不快な音が鳴り、奥から「空いてるよ」と声がする。

中に入ると、「こっちこっち」と奥から声のみで呼ばれる。
声のする方へ進んでいくと書斎のような、本棚にも床にも本が溢れている部屋にたどり着き、その中心で座布団に座った男が「何の用だい?」と問いかけてくる。

  • 岡との対話
ジャーナルから紹介されたことを言うと、わかったというように手を叩いて話を進めてくれるだろう。
「ああ、枷根田からか!ということは、今起こってる夢騒動についてだね」
「ちなみに、あんたらはどのくらい知ってんだい?」

夢についての二つのパターンの話をする


物知りお助けキャラポジションとして使用しても良い。
探索者が調査に詰まって彼を頼るなら話を聞いてそれとなく次に調べることのヒントを与えるといいだろう。
(※ただし時間調整のため、彼との連絡手段はなく、わざわざ山へ赴かなくてはならないとする)

※会話例



1-6.図書館

そこそこ広く、本も種類豊富に取り揃えられている市立図書館。
駐車場にはブルーシートで囲まれた一角があり、そばには警備員がいる。

  • <図書館>で得られる情報

町の歴史について調べる

夢について調べる

地中の怪物などについて調べる


他適宜KPの裁量で情報を与えて良い。
新聞などを見ても、地盤沈下については細々と触れられている程度で気になるような事件、事故の情報はない。


1-7.病院

未鹿迎市立病院入院。広い敷地に4階建ての建物が一つ建っている。
一階が各科の処置室、2階から上に入院患者の部屋と手術室など大掛かりな設備がある。入院患者と面会ができるのは10時から17時まで。

ルート外の行動


  • 2階〜4階
階段、エレベーターで上に上がると、まずこの階の見取り図が貼ってあるのに気づける。
また、右手にナースステーション、左手には患者用のちょっとした憩いのスペースがある。

見取り図を見る

ナースに話を聞く


  • 彼女の病室
普通なら名前のかかれたプラカードがささっている枠には何もなく、病室の扉には窓がついており、中の様子がすぐわかるようになっている。
中を覗くと、一人の髪の長い女性がベッドに横たえられている。その瞳が開くことはなく、側に取り付けられている機械類からも、彼女が容易には覚めない夢の中にいるであろうことがわかる。

※補足



1-8.学校

未鹿迎市で市立学校というと、大きな敷地内に小中高が併設された未鹿市立学校のことである。(しばらく滞在している探索者たちも知っていていい)
小中高それぞれの校舎は多少離れてはいるものの、校門は共通であり、横には守衛室がある。

昨今には珍しく警備がガバガバなので、守衛に適当な理由をつけて来客名簿に名前と連絡先を書けば首から下げる来客証を渡されるだろう。
(もしも潜入や強行突破を成功させたとして、この来客証がないと通報されるため提案するものがいた場合はさりげなく止めること)

  • 高校
生徒用玄関の近くに教員・来客用の玄関があり、事務室の窓から事務員のおばちゃんに話しかけることが可能。
長期で休んでいる教員について聞くと、「ああなんだか急にお休みになっちゃった子ね、知ってるわよ。あなたたちあの子のお友達?ごめんねえ、私そんなに仲がいいってわけじゃなくてねえ‥‥そうだわ!田原先生を呼びましょ!確か仲が良かったハズだわピポパー」と友人である教師を内線で呼んでくれる。

友人・田原


  • 中学校
ここは外れである。休んでいる・入院している教員について聞いても「すみませんが、そのような教員はおりませんねえ‥‥」と他へ行くよう促される。

中学生に話を聞く


  • 小学校
中学校と同じく、ここも外れ。
ただし、後ほど『瀬戸口先生』の名前を知って訪れると、校庭で遊んでいる子供たちから彼女に関する情報を聞くことができる。

小学生に話を聞く



1-9.彩の家

住宅外の中の一軒家。やつれた様子の50代前後の女性が迎えてくれる。
友人だなどと言うと「彩の‥‥?そう、どうぞ‥‥」と探索者を家に上げる。

「ごめんなさいね、あまりおもてなしもできませんけど‥‥」

RPで探索者が知りたがる話に付き合いつつ、
「そういえば、あの子が起きなくなる前‥‥一週間のうちどの曜日だったか、
 前日から楽しそうにウキウキしていて‥‥早くに出かけて遅くに帰ってくる日があったように思います」
という情報を渡す。(彩は彼氏のことを家族には言っていない)

※会話例


話が一段落すれば、彩の部屋へ案内する。

  • 彩の部屋
ドアノブには男の子と女の子のかわいい人形が飾られている。
内装は一言で言えばファンシー。うさぎのカレンダーが貼られた壁に、ぬいぐるみが沢山乗っかったベッド。
本棚には様々な小説や雑誌が収められ、机の上には授業で使う教材なども置かれている。

部屋全体の印象

机<目星>

カレンダー<目星>

ベッド<目星>

本棚<図書館>


2.夢

寝る度に特殊処理が入るので、情報まとめを参照。
また、現実で関連する情報を手に入れると出現するものに関してもチェックを忘れないよう気を付けること。

2-1.中心の部屋

基本描写は導入を確認。

  • 追加描写

ジャーナルor市政の話を聞く

「穴を掘っているやつら」

病院で彼女の顔を見る

ジャーナルの切れ端

彼女のフルネームを知る



2-2.引き戸

中は小窓から覗いた覗いた通り。彼女と扉以外には何もない真っ白な部屋。

彼女には何の技能、行動も意味をなさない。(扉の前からどかそうとする人がいるので触れないとしてもよい)
彼女に直接影響を与えることができるのは彼、もしくは魔力を付与されたナイフのみ。

扉は押して開けるタイプのもの。開けたいという探索者がいれば、彼女が扉にもたれ掛かっているため、扉を押し開ければ彼女もそちらへ倒れる可能性があると告げる。確認を取っても、それでも開けるとPL全員が選んだ場合、デッドエンド処理に移る。


2-3.木のドア

左の壁に出現したドア。木でできているそれにはノブがついており、何やら女の子と男の子のかわいらしい人形で飾られている。
ドアを開けば筆記机に椅子、ベッドにクローゼットといったごく普通の部屋だ。
カーテンや置かれた小物から女性の部屋だろうと思う。(現実で彩の部屋を訪れていれば彼女の部屋だとわかる)

全体<目星>


  • 最初からあるもの

机<目星>

ベッド<目星>

クローゼット<目星>


  • 追加描写

カレンダーを確認する

ブックカバーを見つける



2-4.曇り硝子のドア

壁、天井、床、全てが灰色の部屋。
  • 最初からあるもの
隅にぽつりと大きな本棚が置かれている。

<図書館>

<目星>


  • 追加描写

猫の話を聞く

ブックカバーを見つける



2-5.地下への扉

扉を持ち上げて開けると、ぽっかりと闇が口を開けていた。そこには穴があった。足場を選び、慎重にことを進めれば降りていけるかもしれない穴の底、低く、不快な囁き声が聞こえてくる。
かじりとられたような土肌に、自らの肌が泡立つのを感じた。<SAN0/1d4>

降りるなら<登坂-20>。明かりがあれば補正なしだが、失敗すればどのくらいの深さがあるかわからない、何が潜むかも知れない穴の底までまっ逆さまだと脅しつける。
それでも降りるなら、探索者は辿り着いた穴の底で地底を掘るものに食い殺され、現実では昏睡ロストとする。


3.エンディング

分岐は『連れて行くライオンの色』『彩を殺すかライオンを殺すか』が主となる。
(引き戸を壊している場合は各特殊エンドへ)

場合によってはするっとエンディングに入ってしまいます。
PLがエンディングに関わる行動をとると宣言した場合は描写に移ることを告げ、その選択でいいか確認してからエンディング描写を読み上げてください。

3-1.TRUE

  • 条件:黒いライオンを連れて行き、彩もライオンも殺さない
あなたが黒い彼を彼女の元へ連れて行く。彼はあなたの手からするりと抜け、彼女の目の前でぐるる、と喉を鳴らした。
その声に、彼女がゆっくりと彼を見る。それを確認した彼は、彼女の純白のワンピースにそっと触れた。
途端、ワンピースがじわじわと黒に侵食されてゆく。見る間に、彼女は灰色に包まれた。
「会いに、来てくれた」
灰のワンピースをまとった彼女は、にっこりと微笑んで彼にそう言った。
答えるかのように、彼は彼女の周りをぐるりと回り、そして奥の扉を押し開ける。彼の後に続くように、彼女は開いた扉の先、夜の星空のような黒の中へ足を踏み出す。
ゆっくりと扉が閉まっていく時、あなたたちは、
「ありがとう」という声を聞いた気がした。

そしてあなたたちは目を覚ます。もう、あの夢を見ることはないだろうという直感があった。
何故なら、呼び声の主‥‥彼女は、彼に会えたのだから。

『あわいの呼び色 - トゥルーエンド』
・報酬SAN1D12+1D8
・技能成長


3-2.HAPPY

  • 条件:黒いライオンを連れて行き、黒いライオンをナイフで殺す
あなたが黒い彼を彼女の元へ連れて行く。そして、あなたは持っていたナイフで彼の首を切り裂いた。
途端、溢れる血の赤とねじれた黒。小さな体からは想像もつかないほどの混沌が白かった部屋を黒に染めてゆく。触腕、鉤爪、伸縮する肉の塊。円錐形の頭部に顔はないというのに、咆哮があなたたちの鼓膜を震わせる。<SAN1D10/1D100>

我に返ると、そこには浅黒い肌に整った容姿の青年が立っていた。
彼が見つめる先、そこに座り込んだままの彼女の白いワンピースが、飛び散った彼の赤と混ざって桃色に変わっていく。
「会いに、来てくれた」
桃色のワンピースを身にまとった彼女は、頬も薄く染めて、彼にそう言った。
「君が呼ぶから、ね」
彼は答えて、彼女の手を取って奥の扉を押し開ける。夜の星空のような黒の中へ、二人は足を踏み出した。
ゆっくりと扉が閉まってゆく時、彼女が振り返り、
「ありがとう」と、あなたたちに微笑んだ。

そしてあなたたちは目を覚ます。もう、あの夢を見ることはないだろう。
何故なら、彼女は、彼と共に行くことができたのだから。

『あわいの呼び色 - ハッピーエンド』
・報酬SAN1D12+1D8+10
・技能成長、心理学+10


3-3.NORMAL

  • 条件:①黒ではないライオンを連れて行く。

※黒ではないライオンを殺した場合

あなたがそれを彼女の元へ連れて行く。
それはあなたの手からするりと抜け、そして、

座り込んでいる彼女の首を切り裂いた。

ぱたたっと音がして、白に赤が飛び散る。それらは決して混ざることはなく、ゆっくりと彼女はその場に倒れ伏した。

そして、あなたたちは目を覚ます。夢か現実かわからない生々しい死の感覚。<SAN1/1D3>
しかし、もうあの夢は見ないだろうという確信があった。
何故なら呼び声の主は、夢の中にさえいなくなったのだから。

『あわいの呼び色 - ノーマルエンド』
・報酬SAN1D5+1D3
・技能成長

  • 条件:②彩をナイフで殺す。
あなたは手に持ったナイフで彼女の首を切り裂いた。
ぱたたっと音がして、白に赤が飛び散る。それらは決して混ざることはなく、ゆっくりと彼女はその場に倒れ伏した。

そして、あなたたちは目を覚ます。人を手にかけた。夢か現実かわからない生々しい死の感覚。<実行者SAN1D2/1D6><傍観者1/1D3>
しかし、もうあの夢は見ないだろうという確信があった。
何故なら呼び声の主は、夢の中にさえいなくなったのだから。

『あわいの呼び色 - ノーマルエンド』
・報酬SAN1D5+1D3
・技能成長


3-4.BAD

  • 条件:未鹿迎市から逃げ出す。
あなたたちは呼び声の届かない場所まで逃げた。
未鹿迎市を愛する者たち、そして誰かを呼び続ける彼女がどうなるのかはあなたたちにはわからない。
何故なら、あなたたちにはもう、あの呼び声は聞こえないのだから。

『あわいの呼び色 - バッドエンド』
・報酬なし


3-5.DEAD

  • 条件:彩を扉の中へ落とす。
彼女と共に、扉を押し開ける。そこには、星一つない暗黒の夜空のような闇が広がっていた。思わず、後ずさる。
ぐらり、と彼女の体が闇へと落ちた。ふっ‥‥と、それは一瞬で、まるで最初からここには誰もいなかったかのように。
どれだけ呆然としていただろう。あなたたちは気づいてしまう。

おかしい。目が覚めない。

それから、何をしようとあなたたちが目覚めることはなかった。
彼女は?未鹿迎市は?そのようなことは関係ない。
これから訪れることのない助けを呼ぶことになるのは、あなたたちなのだから。

『あわいの呼び色 - デッドエンド』
・報酬なし
・PCロスト

シナリオ背景

全ての発端は探索者・瀬戸口彩の精神的な死である。

何度か神話的事象に巻き込まれていた彼女は、探索の中である人物と近しい間柄になる。その人物の名はナイア、ニャルラトテップそのものだった。
(ちょっとした拍子に契約を結んでしまったため)一週間に一度彼女の元に(召喚されて)やってくるようになった彼に、彼女は淡い恋心を抱いていた。彼が何であるか、何故彼が自分の元にやってくるのかわかった上で、それでも彼女は彼を好きになってしまったのだ。
彩にとって幸せな日々はそう長くは続かず、その後遭遇した怪異により彼女の精神は崩壊、眠ったままの植物状態に。それでも契約が続く限り彼は彼女の元を訪れ、夢に囚われながらも彼女は彼を想い続けていた。
そんな神話的エネルギーの集まる場所に引き寄せられてきたのが地底を掘るもの。死者の精神とさえ交信できるそれらは眠ったままの彩の精神と交信し、彼女が今までの経験から得た神話知識と彼に会いたいという想いを夢として周囲にばら撒き始めた。
契約者が死してなお契約に縛られているナイアは、その夢に自らを黒いライオンとして紛れ込ませ、夢に囚われるであろう者の手を借りてもう一度彩と会おうと画策する。ただ単に契約を破棄させたかったのか、それとも気まぐれに最期は手を引いてやろうと思ったのか、それは彼にしかわからない。

そして、彼女と彼がどうなるかは、偶然そこにいた探索者たちに委ねられたのだった。

■関連・参考神話生物
ニャルラトテップ(基221・MM197)
黒いライオン[ニャルラトテップの別の姿](MM206)
地底を掘るもの(KC92・MM69)

最後に

このシナリオの要となる『瀬戸口彩』は自分のロストPCです。
夢の中で昏睡ロストを迎えたのですが、長く使った愛着もあり、追悼と送り出す意味を込めてシナリオを製作しました。
クリア後の背景説明で「彼女も探索者だったんだな」程度のことがわかれば不都合はないと思いますが、回しにくい場合は改変してください。

自身で回した際はほぼトゥルーとノーマル、ハッピーが一度でした。
ハッピーエンドは探索者にとってのものではなく、彩にとっての幸せという意味です。探索者にとっての最良の結末は「(日記の通り)彼を殺さず、彼を彼女に会わせる」トゥルーエンドですので、それを越えて彼女に本当の姿の彼を引き合わせてくださった方には感謝の言葉しかありません。SANは大丈夫ですか。
どのエンドを迎えるにしろ、彼女の最期のわがままにお付き合いいただきありがとうございます。これからの探索に幸あらんことを。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
感想・不明な点などありましたらTwitter@iaia_DEERまでお願いいたします。

  • 最終更新:2016-10-04 03:40:39

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